新しい仕事が生まれるプロセス
ChatGPTの登場で、AIビッグバンがいよいよ現実化してきましたね。
工業化社会における教育は、定型業務をマニュアルに沿って行うことができることが目標でした。その結果、ロボット技術やIT技術が発展して定型業務の自動化が進んで知識基盤型社会になりました。それに伴い、教育もアクティブ・ラーニング中心のものへとシフトする流れが生まれてきました。非定型業務が人間の仕事になり、グループワークを行いながら、一人ではたどり着けなかったソリューションへたどり着くスキルが重要視されてきたのです。
しかし、ChatGPTの登場で、グループワークの意味が変わってきそうです。
他者やAIと一緒にグループワークして、一人ではたどり着けなかったソリューションへたどり着く
ということが、今後のテーマになってきそうです。私たちは、AIとコラボレーションして非定型業務を行う方法を学ぶタイミングに差し掛かったのではないでしょうか?
新しい仕事が生まれるプロセス
デジタルトランスフォーメーションによって、組織内の定型業務の自動化は進んでいくはずです。単純作業はロボットやITシステムに代替されていくはずです。
一方で、状況の変化によって、新しい仕事が生まれてくるでしょう。「ロボットやAIに仕事を奪われる」のではなく、状況が変われば、人間のやるべきことが変わってくるということだと思います。
新しい仕事が生まれる現場とは、次のようなプロセスになるのではないでしょうか。
Step 1 違和感をキャッチする。
何かがうまくいっていないことを直感的に感じ、どうすればいいのかを検討し始める。
Step 2 暗中模索(カオスサーチ)する。
身体を動かしながら、直感の正体を特定していく。
Step 3 問題を定義する
暗中模索の中で、問題の構造が少しずつ見えてきて、問題の設定が分ってくる。
Step 4 プロジェクトチームを結成する
問題が定義されると、その解決に適したチームを結成する。場合によっては、Step 2の暗中模索の段階で、それに適したチームを結成し、Step 4で新たなメンバーを追加するということもある。
Step 5 チームビルディングとソリューションの実現
チームの一人一人の強みが生かされるように関係性を作り、相互に学びあって身体拡張が起こるようにチームビルディングを行う。その状態で、ソリューションが実現するようにマネジメントする。
新しい仕事に就く人を育成
新しく定義された問題と、それに対するソリューションが、より一般的なものであれば、それは、新しい仕事になるでしょう。一人の名人芸ではなく、多くの人がその役割を果たすようになるためには、育成プログラムが必要になります。そのステップは、次のようになると思います。
Step 1 名前を付ける
新しい仕事に必要なスキルセットを特定し、コンピテンシーを定義し、新しい仕事に名前を付ける。
Step 2 育成プログラムを作る
コンピテンシー・ルーブリックを設定し、新しい仕事に就く人の育成プログラムを作る。
Step 3 認定の仕組みを作る。
育成プログラムを卒業した人を認定し、マイクロ・クレデンシャルを与える。オープンバッジをブロックチェーンに記録し、適切な人が、その新しい仕事を発見して、育成プログラムを受けることができるようにAIマッチングする。
このプロセスがスムーズに動くと、現場で新しい仕事が生成され、関心と適性のある人が集まってきて育成されていきます。
生成と消滅はセットです。消滅しているところに意識を向けると不安と恐れが立ち上がりますが、生成しているところに意識を向けると安心と意欲が生まれます。
これから、社会が大きく構造転換していくでしょう。そのときに、不安と恐れで駆動されるのではなく、安心して意欲的にトランスフォーメーションに取り組めるためにも、新しい仕事を生み出すプロセスの構築が重要なのではないでしょうか。
デジタルファシリテーション研究所は、新しい仕事を生み出すプロセスの伴走と、育成プログラムの構築をお手伝いします。関心のある方は、お問い合わせください。
お問い合わせフォームはこちら
※無料メルマガ「田原真人通信」への登録はこちら