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  • 田原真人研究室(#デジファシ学部)

研究概要

近代社会は、社会をアルゴリズムに従って動く機械のような実体として捉え、それに応じた調査や、制度設計や、教育を行ってきた。

その結果、個人が競争する社会となり、物質的な豊かさを実現することができたが、一方で、生命の生成的な部分が見落とされ、内面世界や関係性の荒廃が進み、私たちは孤独になったのではないだろうか。

デジファシ学部、田原研究室の研究テーマは、アルゴリズムでは記述できない「生きているシステム(リビングシステム)」が、ダイナミックに自己組織化し続けるための新しい技法の開発である。

人間の能力は、認知能力と非認知能力とに分類できる。田原研究室で開発する新しい技法とは、認知能力だけを数値化し、そこに再現可能なアルゴリズムを発見して制御しようとするのではなく、非認知能力を含めたダイナミックな動きとして捉え、その痕跡を可視化していくことで文脈を生成し、集団活動を促進していくものである。デジタル技術の発展により、AIやロボットを含む様々なデータ活用の可能性が開けてきた。データをアルゴリズムの発見に活用するのではなく、ダイナミックな動きの痕跡として捉え、文脈を生成するためのものとして活用することができれば、新しい社会技術を確立することができる。集団活動のダイナミックな動きは、以下のようなライフサイクルで展開すると想定する。

参加型活動のデザイン

田原研究室で考えるデジタルファシリテーションとは、ライフサイクルのそれぞれのフェーズで、

  1. 状況を重ね合わせとして見立てる
  2. 状況の構造化と可視化
  3. 施策の実施
  4. 施策へのフィードバックの分析

というサイクルを回しながら、プロセスを促進していく活動を指す。

研究テーマ例

※研究生の希望により追加します。

1)オープンスペース研究

オープンスペースとは「空」である。それは、空っぽではなく、可能性が充満した場であり、そこから、様々なものが生まれてくる。

可能性が充満した場をどのように作ることができるのか?オープンスペーステクノロジーを手掛かりに、オープンスペースを扱う技法を研究する。

2)フェス研究

フェスは、カオスの中から生まれてくる叫びが響きあう場であり、ムーブメントの起点である。フリーマーケット、コミックマーケット(コミケ)、文学フリマ・・と続く「いちば=マーケット」の流れや、ロックフェス、未来フェス、講義フェス・・と続く「フェス」の流れを整理し、マーケットやフェスといったライブ空間の成り立ちを研究する。

3)可視化&構造化研究

フェスの多声的な空間で相互に影響を受けあうと、それらが相互編集されてテーマが生まれ、その過程でチームが生まれる。効果的に相互編集が起こったり、チームが生まれたりするには、どのように状況を見立て、どのような施策が必要なのかを探究する。また、このプロセスにAIを活用する手法の開発も行う。

4)パーパスベースラーニング研究

世界が繋がりあい、情報をAIが集約する社会においては、手元のリソースの範囲でできることを考えるよりも、やりたいことを発信して、社会からリソースを集めたほうが合理的である。スキルよりも、パーパスのほうが重要性が増してくるのだ。MakersコミュニティのキャッチフレーズであるDIWO(Do It With Others)のOthersには、AIやロボットも含まれてくる。社会に開きながら、想いを発信し、必要なことを学んだり、チームにメンバーを取り入れたりしながら学んでいくプロセスを研究する。

5)社会との接続研究

パーパスベースで生まれた活動を社会と接続するためにはどうしたらよいのか?社会構造の中で、自らの活動を位置づけ、活動の価値を言語化し、エコシステムの一部に自らを組み入れていくことが必要になる。社会に既にある枠組みに入るのではなく、新しい要素を生み出した上で、社会と接続するプロセスを研究する。

6)活動痕跡のデジタル化研究

活動を設計するのではなく、自由な活動の痕跡が残ることで、次の自由な活動が引き出されて連鎖していくように、痕跡が残る仕組みをデザインしたい。その観点から参加型出版やマイクロクレデンシャルを参加型メディアとして捉えて研究する。

大手出版社を中心としたマスメディア的な出版システムとは違い、一人一人の想いから書籍が作られ、顔の見える関係ネットワークで流通していく方法が参加型出版である。参加型出版は、想いから始まる私たちの営みの痕跡として機能する可能性がある。

学位のようなマクロ・クレデンシャルに対して、もっと小さな単位で学習履歴を認定するのがマイクロ・クレデンシャルである。マイクロ・クレデンシャルを自由闊達な学習の痕跡としてブロックチェーンに記録していくことで、新たな分野が自生的秩序として創発する可能性がある。設計主義でデザインされたスクールシステムにおけるマクロ・クレデンシャルの単位を小さくするということではなく、コミュニティベースの創発的な取り組みの痕跡としてマイクロ・クレデンシャルを活用することで、参加型の活動を活性化すると、学習エコシステムの創発が起こるのではないかと考える。

上図の黄色で示した領域を、オルタナティブな学びをしてきた若者が社会へ接続していくインターフェースとして活用していくのと同時に、生涯学習の場としても活用し、状況の変化に直面した一人一人の想いによって新しい仕事が生まれ、コンピテンシーが定義され、新しいマイクロ・クレデンシャルが定義され、社会が形成されていくようなプロセスを考えている。

7)参加型社会学会で研究発表

参加型社会学会では、年に数回、蜃気楼大学というフェス型のイベントを行う。そこでは、「講義フェス」と「プロジェクトフリマ」が開かれる。田原研究室からも発表者を送り込む予定である。

 

田原研究室のゼミ生になるには?

2023年3月7日にスタートです。参加型社会を実現するための新しい技法を研究したい人を募集します。

お申し込み時に、研究計画書(A4で1枚程度)を提出してください。(それをもとに30分程度の面接を行うこともあります。)

曜日 毎週火曜日 20:00-22:00

内容 ゼミ生の研究発表、発表へのフィードバック、ディスカッション

参加費 月額10,000円(大学生以下は1,000円)

※金銭的事情で学べない方は、研究室運営の仕事を手伝ってもらうことで減額措置をしますので、個別にご相談ください。

田原研究室への出願はこちらから